ファクタリングで気をつけておくべき点は、手数料が高額であることですが、一時的に高額な手数料を支払っても、倒産のリスクを回避できるなら、メリットのほうが大きいかもしれません。しかし、抜け出せなくなってしまい、ずっと高額な手数料を支払い続けるということは、絶対に避けなければなりません。ファクタリングの手数料の相場は、10%~20%くらいです。20%の手数料がかかると仮定して、抜け出せなくなる事例を紹介します。

A社では、資金操りが悪化したので、2015年5月に手数料20%でファクタリングを利用しました。500万円の売掛金を、400万円で即時現金化してもらうことができました。そのため、倒産のリスクはとりあえず回避できました。しかし、将来入ってくるはずの500万円の売掛金を、前倒しして400万円の現金にかえてしまったので、6月に再び資金操りが悪化しました。

この会社では、毎月500万円くらいの売掛金が入ってきますが、6月分を前倒しして現金化してしまったため、6月の収入はほとんどゼロです。そこで、6月にもファクタリングを利用して、7月に回収できる予定の500万円の売掛金を400万円の現金にかえました。A社は、このままですとずっとファクタリングから抜け出すことができませんね。毎月100万円もの手数料を支払って、倒産を回避していますが、大きな損をしています。

このままではどのみち倒産をしてしまうので、早い段階で事業を終わらせたほうがよかったかもしれません。このようなリスクも考慮して、利用をしましょう。